骨髄移植について

  • 骨髄移植は、50年前にはじめて重症複合免疫不全症(SCID)に対して行われ、成功しました。
  • 以来、多くの原発性免疫不全症をはじめ様々な疾患で行われています。
  • 骨髄移植は、臍帯血移植とともに造血幹細胞移植と呼ばれており、免疫能を造血幹細胞レベルから再構築する根治療法となります。
  • SCIDにおいては骨髄移植や臍帯血移植が選択肢になります。
  • 他の疾患の骨髄移植では、拒絶に働くTリンパ球をなくすため、抗がん剤の大量療法を用いた前処置を行い、生着を期待します。
  • 拒絶する免疫能がない(Tリンパ球がいない)SCIDに対して骨髄移植を行う場合、HLA一致の同胞(兄弟)からは原則として前処置なしで移植でき、免疫の再構築も期待できることがわかっています。
  • HLA一致の同胞が得られない場合は、臍帯血バンクからの臍帯血移植が選択されます。骨髄バンクからの非血縁者間骨髄移植も可能ですが、コーディネートに時間がかかるので、SCIDの治療には不向きです。
  • SCIDでは、抗がん剤の強度を弱めた骨髄非破壊的前処置が選択されることが多くなっています。
  • しかし、重い感染症があると前処置は行いにくく、かつ移植後の経過に大きく影響するため、新生児マススクリーニングで感染症のない早期の段階で診断し、安全な治療を行うことが期待されています。
事務局
一般社団法人日本免疫不全・自己炎症学会事務局

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